カテゴリー「CBHSに関すること」の15件の記事

旧所属劇団時代の思い出

2009年6月28日 (日)

「愛妻は荒野を目指す」裏設定 バックストーリー 追記:チェリー脱退について

【震災後の東京について】

2009年6月9日、震災後について。

7月、日本政府は長野への遷都を強行。

東京の復興を重視した政策を展開したが、早々から政治的対立に起因する治安の悪化を招いた。被災地の労働組合は物見やぐらの政策に強く反発し、デモを繰り返した。

そのデモグループのうちの過激な一派が分裂する形で名前を持たないテログループが組織されることになる。


9月。

復興がままならないフラストレーションからデモの参加者は増加し、活動は活性化される。はじめは維新に燃え、政治的なテロを行っていた。しかしリーダーが定まらない状況から幾度となく内ゲバが繰り返され、疑心暗鬼と報復行為のため組織は分裂していく。


12月。

一方、震災から半年が経つと、東京に侵入していた急進的な左翼派が台頭する。彼らはアメリカ(CIA)と中国(中国共産党)の支援を受けた新生民主党をバックにつけ、「東京の自治」を掲げた。理想主義的アプローチは「希望」に飢えた被災者たちを魅了した。

しかし真相は「民主党の政権奪取」と「アメリカと中国による東京の制圧」の取引であった。民主党は、弱体化した自民党に替わり、与党となる。

また、CIAと中共が手を組み東京の占領策を画策する。(大東亜戦争後におけるGHQの統治策と中共の対日心理工作をモチーフにしたもの。)

その内容には

・ 東京の徹底的な破壊と再構築(アナーキズムの誘発)

・ 子供たちの洗脳もしくは再教育

などの要綱も盛り込まれていた。

この政策は秘密裏に「New Tokyo Order(新東京秩序)」と呼ばれた。


2010年1月。

「新東京秩序」(以下、NTOと記す)の一環として本政策遂行のため独自の武装軍を設ける。復興にあたっていた自衛隊と衝突。


2月。

NTO側は東京(と日本)の破壊に当たって、精神的な主柱である天皇の暗殺を企てた。これを早急に察知していた「あいつら」は自衛隊の保守派を味方につけ、先に皇居を占拠。天皇を守ろうとしていた。時は2月26日。奇しくも、かの二二六事件の再現となった。皇居の周りには長きにわたり、多くの死体が横たわった。


3月。

自衛隊の分裂による戦闘が激化。

国連が「東京は戦争状態である」と発表。世界世論はアメリカと中国を強く批判。

これにより戦況は膠着。

NTO側は潜伏状態を余儀なくされ、工作活動に重点を置く。

一時的に治安が回復。


6月。

本作品の事件が起こる。

教育施設に爆発物(花火)が打ち込まれ、多くの死傷者を出す。

震災後、初の非戦闘区域内における虐殺行為として世界中に報道され、再び東京が注目される。


7月。

NTOの工作が成功。世界世論を押し切る形でNATO軍が組織される。分裂によって弱体化していた自衛隊が管理下に置かれる。東京にとどまらず日本全体が民族史上類をみない巨大な混迷に陥ることになる。

NATO軍は撤退。統治と称し、NTO軍が進駐する。


8月。

「あいつら」の一部は日浦洋子を中心に武装化。義勇軍を組織する。


NTO軍と交戦を繰り広げる。機関紙「デッドストック・トーキョー」は義勇軍側に従軍しながら世界に東京の現状を伝え、世界世論に大きく貢献した。

やがて義勇軍はフランス、ロシア、インドの軍事支援を受けながら、徹底交戦。

日本内戦の勃発である。


【東京のベルリン化】

内戦時、激戦となった地は言わずもがな、東京である。

戦火は全国に飛び火し、日本人同士の血で血を洗う戦いは100日に及んだ。この激戦の後、日本は東西に分裂されることなる。東京の一部(北区。レストランのあったあたり)は義勇軍が占拠したため、その地区は「トーキョー自治区」となる。トーキョー自治区は迫害を受けながら地を追われる。

数度の戦争をはさむ16年後、2026年。各種NPO法人の働きかけもあり世界世論が大きく変動する。自治区が国連に認可され、日本は新たな局面を迎えることになる。余談だが、同時期にチベット自治区も中国から解放される。また、この年になっていきなりローリングストーンズが解散する。

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追記:2009/10/25

アクセス履歴を見ると、このカテゴリにアクセスする方がかなりいらしゃいます。
おそらく、「いつのまにチェリーやめたの?」ということだと思いますので、追記します。

このエントリーで触れられている「愛妻」の公演の直後に辞めました。
あらゆる選択肢が模索されましたが、これがあの時選べるベストの形だったと思います。
理由は、ひとことで言ってしまえば不仲。
作品の方向性の決裂より前の段階で、僕と僕以外のメンバーの関係が壊れてしまいました。

作品の方向性まで話が進めればまた違った結果があったのでしょうが、そこまではいきませんでした。
動機には感情的なものが多くを占めますし、糾弾されるであろうことも分かります。
確かに無責任だとも思います。
方向性と言ったって、僕の作風も世界観もそうそう変わるものじゃないから辞める必要はなかったのです。
ただ、僕はすごく違和感と疑念を感じてしまい、拭えなくなってしまった。疑念は日を追うごとに確信になってしまいました。
「勝手に辞めた」とも言えるだろうし、「追い出された」とも言るでしょう。
こういった犬も喰わないようなこじれが原因です。

時間が経ち、チェリーも僕も作品を作り続けるなかで何かが変わっていくといいなあ、と思います。劇団にいたことは、いい思い出であることには変わり無いですし、劇団への愛情は今もあります。

来週がチェリーの公演ですね。
スケジュールがボロボロなので行けるかはまだわかりませんが、是非伺いたいと思います。なんだか緊張しますね。
向こうもデリケートな時期でしょうから、こっそりと書きました。

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「愛妻は荒野を目指す」裏設定 人物

「愛妻は荒野を目指す」登場人物設定 第二稿


■ 赤羽根けい子 (けい子

【プロフィール】

愛妻A。震災後の過酷な東京において、カズオと幸せな家庭を築いている。子供は男の子がひとり。レストランの常連で、お客の顔見知りも多い。明るく前向きな性格で何事もあきらめない。なによりも家族を大切にし、これを守るためならば手段を選ばないと言う非情な一面もある。


【裏プロフィール】

生い立ちがハードだったため、「しあわせな家庭」に執着していた。手に入れるはずだった家族は震災で喪った。喪失による過度のストレスから現実逃避。実の弟であるカズオを亡き夫に見立て、擬似家族を演じている。けい子が守るものは限りなく現実化した自分の幻想、その平穏。


【嗜好】

もともと詩集を読むのが好き。国内の詩人のものより海外の詩人のものを好む。避難時に持ち出したリルケの詩集にはこうある。「明日世界の終わりが来ても私はリンゴの木を植えるだろう」この言葉が、幻視的な傾向さえ見られるけい子の自意識をこの世に繋ぎとめている。


※「明日世界の終わりが来ても私はリンゴの木を植えるだろう」

この一節はリルケの一節として詩ファンの間で知られるフレーズだが、実際はゲオルギウという詩人の一節。そうなってくると誰の詩でもいいじゃないか、ということで、「愛妻」の世界では「キュカ・スビサレータ」という架空の人物が詠んだという設定になっている。




■ 赤羽根和雄 (カズオ

【プロフィール】

赤羽根けい子の夫。けい子を愛し、やさしく見守る良き夫。しばしば感情を暴発させることもあるけい子だが、これに苛立ちのひとつも見せない。よき理解者であり、パートナー。


【裏プロフィ-ル】

けい子の弟。異常なまでのシスコン。過酷な幼少期を姉に守られたため、けい子なしで自我が成立しない。けい子の嘘に徹底的に付き合う覚悟。それはカズオにとっての幸福でもある。カズオが守るものはけい子の幻想。


【嗜好】

ジャズやフュージョンを好む。歌詞のある音楽を聴くことができない。

ジュースは飲めるが、水が飲めない。


【水が飲めないエピソード】(役者の柚木幹斗だけが知っていたエピソード)

震災直下、けい子夫妻トパーティーをしていた。生き埋めに。気絶する。

かろうじてつなぎ止めた命だった。意識が戻り、まず最初に感じた生理的な欲求は「水が飲みたい」であった。同じく生き埋めの状態であった赤羽根宗一郎(けい子の旦那)は即死しており、肉体が裂けていた。その死体はカズオより上にあった。

朦朧としたカズオの頭上に水分が垂れかかる。水と思って舐めたそれは、宗一郎の血だった。カズオが救出された後そのことを知り、三日三晩にわたり嘔吐を繰り返す。これがPTSDとなり、水が飲めなくなる。

■ 日浦正一 (ヒウラ、ショウちゃん

【プロフィール】

人形と生活を共にしている。周りからは狂人扱いされているが、震災後の東京に彼のような人間は多々存在するため、あまり疎まれていない。(周りが慣れているため)

いつもレストランにいる。

一説によれば、彼は妻を亡くしており、人形は妻の身代わりとのこと。よく人形と会話をしている。ヒウラが守るものは妻の記憶。


【裏プロフィール】

完全に正気。ただし、実際に妻に去られているため精神的な傷は負っている。自己治癒の一環として狂人を装っている。(ヒウラは日本大学文理学部心理学科卒。演技療法として自分に施した治療)

「あいつら」と呼ばれる夜盗の集団に去った妻がいるとの噂を聞き、妻の消息の確認のため、日々レストランに入り浸り決定的な情報を求めている。カズオは旧知の間柄であり、ふたりの秘密は知っている。


【嗜好】

トマト、パプリカ、一味唐辛子、リンゴ、いちご、などとにかく赤いものが好き。妻が好きだったから。


■ 町田可奈女 (カナメ

【プロフィール】

愛妻B。震災後の東京を世界に発信する機関紙「デッドストック・トーキョー」の編集者、カメラマン。ジャーナリストとしての確固たる思想と、アーティストとしてのロマンティシズムを併せ持ち、部下(マユミ、イク)から尊敬されている。

震災で夫を亡くした未亡人。ただし、当時から既にシラサワと不倫関係にあり、夫を亡くしたことで不倫が成就されている。罪悪感を背徳感に変換し、これを快楽として自分を納得させている、強い女。カナメが守るものは、自分の虚像。


【裏プロフィール】

非常に臆病な性格。暴力アレルギー。ジャーナリストとしては街を脅威にさらす「あいつら」の悪行を伝えなければならないが、恐怖により踏み込んだ取材ができない。


【嗜好】

ベジタリアン。

触れることを拒むため、セックスが成立しない。歪んだ形で成立させている。




■ 古賀眞由美 (マユミ

【プロフィール】

機関紙「デッドストック・トーキョー」の編集者。語学に長け、翻訳の担当。カナメを慕うジャーナリスト。仕事の面でも女としてもカナメに心酔している。デスクワークを担当することが多く、あまり現場には出ない。

カナメに対する過度な愛情は、レズビアンじゃないかという噂が立つほど。その反面、自分の中のカナメ像が完全に確立しているため、カナメがその偶像に反した言動や行動をすることが気に入らない。マユミが守るものはこの「偶像」。それは自己に対する理想像でもある。


【嗜好】

フルーツ全般。カナメに倣ってベジタリアン。




■ 白澤洋二 (シラサワ

【プロフィール】

機関紙「デッドストック・トーキョー」の専属カメラマン。震災前はファッション誌のカメラマンだった。震災時に妻を亡くしている。妻の死後、カナメとの不倫が成就。妻を亡くしたショックと震災時に目撃した死の現場の光景からPTSDを患い、男性機能不全となっている。

シラサワが守るものはカナメとの平穏な日常。カナメの良き理解者。


【嗜好】

ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーなど古いフランス映画を好む。理由は「何の意味もないから」


■ 篠田育子 (イクちゃん

【プロフィール】

機関紙「デッドストック・トーキョー」の編集者、兼カメラマン。とにかく現場主義で、無鉄砲。カナメに可愛がられている(カナメからすれば使い勝手が良い)。悲惨な被災者の取材も果敢に行い、時にはカナメ以上の成果も出す。

カナメをめぐり、マユミに疎まれることもしばしばだがあまり気にしていない。

少し前にレイプ被害にあっている。


【裏プロフィール】

震災によって家族全員を亡くす悲劇に見舞われている。大家族(15人くらい)だったため、一時は想像を絶する喪失感に苛まれたがカナメの導きもあり持ちこたえた。家族が愛してくれていた「笑顔」をアイデンティティにしている。イクが守るものはこの、自分の「笑顔」。


【嗜好】

好きな食べ物はフランスパン。よく歯茎から血を出している。


■ 根木内沙羅 (ネギ、店長

【プロフィール】

レストランの店長。

沙羅という乙女っぽい名前があるのに、ネギとしか呼ばれない。




【裏プロフィール】

愛妻D。もともとこのレストランはネギの夫が始めたもの。夫もネギと呼ばれていた。この呼称は夫から引き継いでいる。夫は夜盗(王)に殺された。

ネギの守るものは夫の気高い理想の結晶であるこのレストラン。

ちなみにレストランに名前がない。なぜ「レストラン」と呼ばれるのかと言うと、作品の世界において、東京中探しても他にレストランは一軒として存在しないから。


【嗜好】

コーンポタージュ。白ワイン。コーヒーガム。食が細い。

音楽はビートルズだけ。よく「ノルウェイの森」を弾いている。


■ 橋口純一 (ハッシー

【プロフィール】

レストランの店員。記憶力が異様に高いが、それは瞬間的なもので、あまり持たない。

居住区を夜盗に燃やされたため、今はネギと暮らしている。

ハッシーの守るものはもちろん、このレストランとネギ夫妻との思い出。


【嗜好】

ハッシーの作るコーンポタージュはネギの夫から引き継いだもの。

世界一の自負がある。実際、ものすごいうまさ。


■ 野村美和 (ノムラ先生、ミワちゃん

【プロフィール】

学年主任。4年1組担任。不登校ゼロ。理想的な教師。教育理論や児童心理学などあらゆる知己に富み、教育には自信がある。いまいち不甲斐ない雨貝を常に心配している。

彼女が守るものは自分のプライド。後ろ盾を持ってくれるゴトウを信頼している。


【裏プロフィール】

潔癖的な部分がある。自分が雨貝を支えてきた自負がある。

【嗜好】

バニラアイス。


■ 雨貝八弥子 (アマガイ先生、ややこ

【プロフィール】

愛妻C。明るくさわやかな性格で、子供好き。ただし、やさしい接し方は長年彼女が培ってきた処世術でしかなかった。担任する子供たちにそれを見抜かれてしまったため、学級崩壊を起こした。(現在は鎮静化している)

彼女が守りたい(のにいつも守りきれず深く傷ついている)ものは、自分の中にあるイノセンス。

大人になりきれていない。


【裏プロフィール】

ティーンエイジャー時に受けたレイプのトラウマ、及び震災や職場でのあらゆるストレスの反動から、自傷行為としての売春をやめられない。男に対して依存的な傾向があり、現在はトリウミが自分を救ってくれる存在と信じ、結ばれたいと思っている。


【嗜好】

タバスコ、七味など刺激物を好む。味覚障害。


■ 後藤大信 (ゴトウ先生

【プロフィール】

震災後、教頭に着任。校長はハリボテなので学校における執務の実質的な権限を握っている。しかし、支援団体のあやつり人形でもある。支援団体が標榜する「復興後の自治と自立」とはつまり(極論としてではあるが)「東京を植民地化する」ということである。


その駒と成り果てている自分に疑念を持ち始めているが、まったく復興が捗らない上に治安も最悪の東京に生きる被災者が生き残るためには「毒も飲むべし」と考えている。

このストレスから人格が歪んでいる。

正当防衛という名目で人を殺すタイプ(実際に殺したことはない)。自分の正義を貫くことに容赦がない。彼の守るものは自分の仕事に対する大儀。


【裏プロフィール】

野村に惚れているが、人格の歪みから愛情表現が不器用すぎて高圧的な態度ばかり取ってしまう。


【嗜好】

たまご料理。


■ 鳥海正也 (トリウミ先生、トリウミくん

【プロフィール】

4年2組副担任。2組の学級崩壊により、雨貝のサポートを担当するべく着任。生徒達の暴走を止めたのは彼。現在は実質的に担任の業務を果たしている。

ゴトウの弟分。ゴトウに褒められることがなによりの喜びと感じている。

女性的な一面があり、温和で人当たりも良い。このことから依存されることに慣れており、土壇場では非情となることが多い。


【裏プロフィール】

雨貝とは同級生でもあった。雨貝の学生時のレイプ事件を知っている。




【嗜好】

ウイスキー。機械に強い。


※ 教師達は「上」の支援を受けているため、震災状況下においても裕福な暮らしをしている。

※ レストラン付近の住民達は自衛隊の庇護のもと自警団のようなものを組織運営しているが、教師達もまた前述の支援のもと独自の自治を勝手に施行している。要するに、現在の東京には「二種類の警察がいる」という状態。

※ ただしこれは独善的な行為であるため、地域住民から非常に強い反感を買っている。




■ 夢生 (ムウ

【プロフィール】

本名、金本夢生。在日。明るい性格。


【裏プロフィール】

夜盗の集団である「あいつら」と呼ばれる組織のメンバー。

夜盗となってからかなりの殺人を犯しており、麻痺し始めている。

自我と自意識が剥離し始めており、常に恐怖に苛まれている。無表情の割に感情が不安定。


【嗜好】

典型的なこてこてのアメリカンロックが好き。好き映画はマッドマックスシリーズ。


■ 王 (ワン

【プロフィール】

本名不明。王(ワン)と呼ばれていることから出自は台湾と思われるが、流暢な日本語を話す。


【裏プロフィール】

夜盗の集団である「あいつら」と呼ばれる組織のメンバー。

奪うという行為に一切の躊躇が無い。ネギの夫を殺している。最近はイクをレイプした。

実行犯的役割。オウムで言えば林や新実。

元はこのレストランでバイトをしていた。震災後、夜盗に堕ち、咎められ、ネギ(旦那)を殺す。


【嗜好】

ふ菓子

コーンポタージュが食べられない。


■ 小原 (オハラ

【プロフィール】

オハラと呼ばれる。知能が高く、「あいつら」の中でも一目置かれている。

【裏プロフィール】

本名は日浦洋子。日浦正一の妻。

愛妻E。

ある意味、主人公。




【嗜好】

赤いもの。


※ 「あいつら」について

集団化した夜盗ではあるが、その実は地域の労働組合が母体となっている。








【今回の台本で】

気に入っているのはアマガイ先生。

当初のプロットではこのレストランから逃げてしまう予定だった。

「逃げる愛妻」がいてもいいだろうと思っていた。

なのに。

出演時間も20分程度に収まる計算だったのに、なんか急に成長しだして妙に熱くなって、書き進めていくうちにとんでもない行動を取り出して、最後までいた。


こういう女だったんだ、といちいち気付かされる。

自分が考えて作り出した人物のはずなのに、そいつがコントロールをふりほどいて勝手にストーリーを作ってしまう。これはたまらんモノがあった。

感情の不安定なアマガイをバシっと演じてくれた東澤さんに感謝。


あと、

カナメ、マユミ、イクのデッドストック・トーキョーの三人も好きだった。

ストーリーの展開に則しながら変化していく感情の機微がよく書けた。「少年時代」みたいで。

その機微のキーとなる、マユミのセリフは自分でも好きなセリフが多いなあ。

なかでも、カナメがPTSDを起こした時、目の前でマユミが助けようとしているのに、

カナメがイクを呼ぶシーン。

「イクちゃん!イクちゃんは?…イクちゃん、笑ってくれないかなあ?」

おいおい、目の前に助けようとしてくれてる人いんじゃん。

そこでマユミが

「なんで私じゃないの?」

というセリフはすごく悲しくて、大好きだ。この三人の絆が壊れてしまう瞬間が。


カナメという、ある種カリスマとなる難しい役を演じきってくれたイチキさんに感謝。

このモチーフは形を変えても、またやりたいな。

女の友情、みたいなモチーフは大好物です。 

男よりも複雑で、面白い。 


男もいいなあ。

王(ワン)という役をやったんだけど、もっと長くやりたかった。

戦争に巻き込まれて、感情がどうしようもなくなちゃった男。

で、加害者に回った弱さ、とか。

こういうのをもっと描きたいね。

やっぱ戦争ものはいつかやりたい。バーっとね。

やるとしたら暗くなく、重くなく。しめっぽくなく。

かといって何もごまかさず、決して軽くもなく。

渇いた痛みのあるものにしたい。


「グッド・モーニング・ベトナム」の切なさと明るさに、タランティーノ一連のブラックユーモアを携えたような、そういう日本人の戦争の話。

できそうな気がするんだけどな。

「ウィンズ・オブ・ゴッド」とかいい線いってたけどな。

まあ、あれは結局左傾して幼稚になっちゃったからアレだけど。 


もっと渇いたものを。

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2009年6月17日 (水)

愛妻に捧ぐ

終演から一週間も経ってしまいました。
遅ればせながら、御礼申し上げます。

 

ご来場いただきましたお客様。
心より

「ありがとうございました」

 

スタッフの皆様、キャストの皆様、劇団員の皆様。
おつかれさまでした。
心より、

「ありがとうございました」

ただ一言に尽きますね。やりきったと思います。
「ありがとうございました」

いま、川端康成の短編を思い起こしています。
バスの運転手が夕焼けを背に山を下り、女の子にただ「ありがとう」を繰り返す。
その間、目は前を向いていて、決して女の子と目を合わせない。
そんなシーン。 

 

愛妻を荒野に向かわせてしまった、もっともの張本人(あるいは犯人)である僕もまた、荒野を目指さないといけないのかもしれません。
毎回、本の中で人を殺してきた僕は、人殺しです。
もうなんか、後にはひけねえなという感が強い。
いっそ捕まるまで、東京でテロっちゃいたいな。

僕は、今回の執筆。ババッと書いてシレーっとしてたので、
誰も気付いてないでしょうが、かなり精神をやられてました。
16人分の感情を一手に引き受ける期間が一ヶ月ほど。
堕ちたり上がったり、怒ったり、笑ったり、荒野にビビッたり、立ち向かったり、おまけに何回もPTSD発症したり、と大忙し。
もう、治らないかも、と思ったな。
たぶん、治ってない。
でも、いい方向に狂っていると思うので経過観察。

と。

そんなにも関わらず、締め切りに4日ほど遅れてしまいました。
(みなさん、ご迷惑をおかけしてすいませんでした。)

いままで、台本のあがりが遅いことがコンプレックスでした。
それだけで作家としてのアイデンティティを持てないというか。
「台本いいね」と褒められても、嬉しくなかったです。
ホッとするだけ。
「よかった。まだここで書かせてもらえるかも…。」
と。

他の作家さんの話なんかを聞くと結構「苦しい」とか「書けない」とか聞きます。
台本は、孤独な作業だとかよく言われます。
たしかに僕も、苦しかったし、孤独だった。
「アキストゼネコ」の執筆時は、リアルに3回線路に立ちました。
書けないといって自殺する作家はいても、演じれないといって自殺する俳優はいない。
書くことって、なんでこんな苦痛なのかね。
不毛じゃねえか?
プロレスラーにしても、なんでわざわざ危ないことするのかね。
なんで死ぬかね? 
不毛じゃねえか?
不毛じゃねえんだろうね。 

本望なんだろうね。

なんだよこれ。
これは「作家」の永遠の痒みなんだろうか。 
村上春樹が新作を発表してくれて、嬉しい。
こういう、小さくて遠い出来事だけが支えになり得る。 

だんだん暗くなってきたな。
すいません。
今回の作品執筆において、支えになった歌があります。

セカイイチ「あかり」

 

「僕らの旅立つ景色に君が見とれてしまわないよう、
君んトコまで迎えに行くんだぜ」

という歌詞がたまらん。
僕もそんな気持ちで、僕の小さな可愛い愛妻を迎えに行きたい。
これからのことを考えると、不安と恐怖で目一杯だけど、

あかりは存在する。

それだけあればじゅうぶんだ。だってさ、

いいや、なんか。

めんどくせえ。
言っちゃえ。

僕には最愛の存在がいます。
ぼくは彼女に救われてきました。
彼女を思うことで、心が澄み、作品を完成させることができました。
台本作業も、たぶん、本当は孤独ではなかった。
ラストシーンにはかならず、彼女が待っててくれた。
彼女に会うことができた。

でも、彼女はもう、この世にはいないので、
いつまでも頼っていられないです。
これからは、一緒に書くのではなく、僕が作るもので彼女を楽しませてやりたい。
客席に座っててくれればいい。
ずっと、一緒に苦しんでもらってた気がする。
そんな必要はないんだよ。もう。 

 

あー!
なんかすっごく感傷的だ!こんなこと書いてどうする!消す?
いや、消さない。
けじめだ。

とか、そういうことがあったよ。

僕の本にはそういう思いがちょこっとだけ入っているよ。

気分悪くなってしまった人はすいません。

今日は以上です。

 

演劇はあくまでもチェリーの作品ですから。劇団は関係なく。
あくまで台本レベルでの話です。

個人的に、ごくごく個人的に。

 

 

台本に書いた言葉とストーリーを捧げます。
からだのない、僕の愛妻へ。

 
 
 

※「愛妻」裏データ公表に向けて編集中です。
アップは明後日以降です。

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2009年6月 8日 (月)

愛妻に泣かされた

ワンステで5人。5回。

今日で5ステやったので、延べ25人の愛妻が荒野を目指したことになる。

残り15人。
愛おしい。

と言っても、なんだかんだでみんな荒野に向かっているので、暗算しずらい人数の人間が荒野を目指している。

みんな凛々しいよ。

本番も佳境になってくると、自分の台本だ、ということがすごく遠くに感じがち。
舞台袖。
ふいに、自分の書いたセリフに涙腺をやられたりする。

どんだけ自分が好きなんだ、と思われることを覚悟で書いたが。
ようは、それだけ役者がいい芝居をしているということ。
それを導いた演出があったということ。
セリフが、書いた時の感情以上の言葉となって板の上で響いている。

女って、こんなにも滑稽で、悲しくて、情けなくて自分勝手で。
本当に美しい。
(男は可愛い。) 

愛おしいね。 
こういう気分にさせてくれる今回の作品は、好きだ。 

えっと。
バックストーリーや裏設定についての事に興味をいただいています。
誠に幸せなことです。

役者、スタッフに配った台本設定ファイルを公開させていただこうと考えています。
公演終了後に、ですけど。
ささやかに、データを楽しむ方々に向けたサービスです。
なのでかなり僕の趣味が入っていますね。

笑え。
すごいぞ、チェリー。

愛妻の詳細

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2009年6月 6日 (土)

愛妻は荒野に立った

初日。

荒川演出の悪魔っぷりにどっぷり浸かりながら、板の上へ。

やっとお客さんと遭遇できた喜びを感じる。
この日が来るのをずっと待っていたんだな、と思う。

「感服」
という言葉をいただいた。僕は満面の笑みでニンマリした。

 

演劇とかそういう表現媒体で活動する上で、いつも心がけていることがある。
それはひとことで言ってしまえば、鑑賞者を

「ぶち殺す」

 

「ぶっ殺す」でもなければ、「ギャフンと言わす」でもない。
「楽しませたい」でもなければ「何かを伝えたい」でもない。

ただ、「ぶち殺す」。
僕は寺とか神社が大好き。
観音とか、地蔵とか。
かの空間の中にいる彼らに出会うとき、
彼らとの対話が成功したとき、
僕の魂はぶち殺されている。

そして何度でも小5の感性を呼び起こされる。
あるいは14才か。

そういうことがしたいし、そういう台本なんだ。僕の本は。

「感服」というなかなか日常的ではない単語を複数の方からいただいたことは、
この「ぶち殺す」という目的に一歩近づけたのかな、と思う。
もちろん今回の作品も賛否両論はあるだろうが、
僕は遊女のような気持ちでお客さんを待っている。
おいで。

つまらなかったら僕を殺すぐらいに批判すればいい。
僕の前世はハードコアな遊女だよ。
なんでもOK。
いつでも布団の上にいるよ。

真っ赤な布団さえあれば、僕らは何度でも朝を迎える。

役者だからね。

お待ちしています。

愛妻の詳細

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2009年6月 4日 (木)

愛妻はめんかぶりクロールで50メートル泳ぐ

チェリーブロッサムハイスクールPlay_⑥
「愛妻は荒野を目指す」
いよいよ本番である。

小屋入りし、装置と明かりが入った。
美しい。
この透明感はなんだ!
音響もばっちり。いつもより音がいい気がする。
ちょっとドンシャリ気味で俺好み。
稽古場だと低音が出ないから、クッと来た。
いつものことながら、たまらない。
舞台って楽しい。すっかり演劇が好きだ。

今回のストーリーは、
5人の愛妻が荒野を目指す話。
基本的に僕は日常が非日常へとグラデーションしていく作品が大好き。
ようは映画版のドラえもんだったりとか。
平凡さが愛おしければ愛おしいほど、そのカタストロフがゾクゾクする。

喜びとか痛みとか。
保存も解決もできなくていい。
心臓を動かしているのは命ではなく、感情なんだと思う。
今回の台本は息を止めて書いた。

ともかく。
意外と今回の作品はいままでで一番観易いんじゃなかろうか。
舞台装置の黒いパネルに多くの背景を描くことができたらいいと思う。
ストーリーではなく、風景を提供したい。

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すごいぞ、チェリー。

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2009年5月28日 (木)

ウィノナ

ひさしぶりに
ブレンダン・ベンソン を聴きながら夜が更けた。
彼のソングライティングの歪んだ感覚が大好きでよく聴いていたのは、
もうずいぶん前だ。
夜型の生活を送っていたので、朝が来るのが大嫌いだった。
夜が終わってしまう。
8トラックのMTRでアコギを重ねてチルな曲を作ったり。
声にエフェクトを掛けてひとりでラジオドラマを録音したり。
深酒しすぎて鼻血を噴射したり。
「時計じかけのオレンジ」や「さらば青春の光」や「リアリティ・バイツ」をビデオで観て、共有したいのに誰にも電話できない時間だったり。
何をしてもひとり。

誰とも交わらない夜が大好きだった。
ずっと夜だったらいいなあ、と。

今夜もそう思っている。

もう直に本番だ。
「愛妻は荒野を目指す」

荒通しで見えたこともあり、稽古はいよいよ 佳境にさしかかった。
そろそろ稽古場が炎上するだろう。
いいぞ。チェリー。

 

「リアリティ・バイツ」はクソだったけど、好きなシーンが結構あった。
ウィノナ・ライダーが万引きして逮捕された時、なんか、青春が終わったよな。
時代なんて、一度も味方してくれたことがないので嫌いだ。
などとダダをコネる気も失せた。
当時の僕のメモにはこうある。
「終わるのよ、嫌な時代が、やっと」

そのメモから10年経った。
本当に嫌な時代が終わりそうだ。政治やらなんやら膿が出尽くしてる。
新しい時代が来る前に、この嫌な感じを少しだけ愛しみたい。

そんなタイミングで「夜明け」の話を僕らはやる。
夜明けのあかりが来る前の、
暗い夜を大切にしたい。

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2009年5月17日 (日)

愛妻の正体

日々、稽古。
一歩ずつ荒野に向かっています。

今回も脚本を書かせてもらいました。
「愛妻は荒野を目指す」

近未来。
廃墟と化した東京のとあるレストランを舞台に繰り広げられる
女たちの生命をかけた戦い。
5人の愛妻が荒野を目指します。
凡庸、写真、スープ、正義、メリーゴーランド。

イメージが自分の頭脳の許容を越える状態をキープして書きました。
まさかこんなことになるとは思いませんでした。
自分のイメージ以上、予定外の世界が産まれると、素晴らしい気分になります。
座組としても、凛々しく荒野を目指します。
是非ともお楽しみに。

チケットのお求めは 
こちら
で大丈夫です。小栗専用予約フォームです。

【源泉となったイメージ】
Robert  
「クロスロードで悪魔と出合った」という伝説を持つ若きブルーズマン。
ロバート・ジョンソン  
こっちはwiki
今回の作品作りに際し、彼のエピソードをモチーフにした物語を書こうと思いました。 
悪魔は実在する。
契約をした人間も実際に居た。
彼は人外の道を選択したわけです。まるで不幸のように語られますけども。
「その夏、13月」でも少し触れたテーマでしたが、今回はこれをメインに書きたかった。
何だかもう、ささくれだった感じがして、すっごく嫌な予感がしていたのです。
リーマンショックを機に僕の身の回りにもいろいろ起きていたので。

いつも台本の中に、希望だとかそういうポジティブ要素はあまり入れないのですが、ちょっとそろそろ、そういうこと書かないと駄目だなと思いました。もたないぞ、と。

また、この時期ドラマの企画が思うように作れなかったことがショックで、かなり凹んでいました。ラジオドラマの脚本にしても何か焦燥感で書いていた。
作品作りにおいて、恐怖を感じていました。
「いつ書けなくなってもおかしくない。」と、そんな感じ。
大した理由もなく漠然とした恐怖ではあるんですが。
悪魔と契約がしたかったのは僕なんですね。
なぜか、悪魔が希望に思えた。

 

【タイトルについて】
当初はナイーブで優しい空気感をベースにしようと、
「湿原をたゆたう綿毛とさよなら」
という仮タイトルを付けてました。

そこから、
「夜明け」

「セックス」
にイメージを絞り込んでいました。クロスロードから拡がっていった映像です。
おそらく、悪魔と契約できる時間帯は「夜明け」で契約には「セックス」を用いるんじゃないのかな、と。
荒野の真っ只中で、セックスなりなんなりの性交渉を、一番してはいけない者と、する。
これはポジテブだぞ!と。思いました。
なんか、すっごいエネルギーだから。
よし、荒野だ!
舞台は荒野だ!
と。

柴田とディスカッションしながら公演タイトルを「愛妻は荒野を目指す」に決めたのが2月。
ストーリー性に重点を置いたものではなく、人間をじっくり描こうということになりました。

「夜明け」も「セックス」も「クロスロード」も、悪魔と契約するために必要な全ては荒野にこそある。契約を結ぶのは、女。それも「愛妻」だ。
みたいなところから細かな設定作りが始まりました。いけるぞ、と。
ところがどっこい、作業は難航。
イメージが濁る濁る。
いま思えば、この時期、相当な雑念が入り込んでいました。


Photo しかし、幸運にも
「愛妻」のイメージが一発で決まります。
親愛なる写真家のこの一枚。

これだ、と。

伝えたいことの全てはもう、この一枚で充分だ。と。

 

プロット作りの論理の、全てが崩壊したこの写真。
まさしく、「ぶち殺された」。

もう、素直に書くしかねえよな。

この写真の、この少女から受けた強烈な一発。
この感情を言葉で表現できない。
でも、このなんだかわからない感情を台本で表現することは可能だ。

結果、できたと思います。いきなり結論だけど。
これなんだよなあ。
あいかわらず、言葉にはできないけど。 
これなんだよなあ。

なんか、心が澄むんだよ。 

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2009年3月18日 (水)

CBHSワークショップ参加者の皆様へ

去る3/13~3/15の三日間にわたり、CBHSのワークショップが開催されました。

参加していただいた役者のみなさまに、この場を借りまして心より御礼申し上げます。

本当にありがとうございました!

作家として関わらせていただきました。
参加者の皆様にはワークショップに対し、真摯に取り組んでいただき、
多くの刺激と気付きをいただけました。

皆様にとって今回のワークショップはいかがでしたでしょうか。
是非とも感想をいただけますと幸いです。

「役者」というのは、特異な表現媒体です。
今後とも芝居に精進し、
皆様により「面白いこと」を提案できるよう、
邂逅の日を待ち望もうと言う所存です。

ありがとうございます。

作家・小栗剛

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2008年12月17日 (水)

「アキストゼネコ」で伝えたかったこと

Sigur400僕はたぶん、台本を書くのが苦手なんだと思う。

のっけからトチ狂った事を言ってしまうが。
良質な台本に必要な「構成力」や「緻密さ」というのがどうも苦手だ。
毎回非常に苦しむ。

あとは、「どんでん返し」とか。そういうのも苦手。
小学生の頃からとにかく「起承転結」にアレルギーがあって。
高校生の頃に小説を書き始めたんだけど、まずそれを無視することから始めた。
初志として
「何も起こらない物語」をいかに面白く書けるか、という挑戦から始まった。
もう一文字目からそうだった。
思えばスタンダードなものを書く気が一切なかった。
もちろん、相当難しい試みなので未だに未完だ。
根本的にひねくれている。 
やっぱ捻じ曲がった性分の人間なんだろう。

この小説はもう8年以上手をつけていない。
「スノウ(イズ)ホワイト」という、栃木県の真岡市を舞台にした青春群像。
食事のシーンでは口を拭うティッシュの銘柄までディティールを描く極端な写実。

叙情的な冬の午前の太陽の下で行われる儀礼的な喫煙。

田舎の高校生の友情が真綿が燃えるようなチリジリ感で崩壊していく心理描写。

ポエトリーな情景描写を交えながら各登場人物の一人称で細かく構成していく。
これは、タナトスの話だな。
10代だけが持ち得る「死への憧憬」。 
重要人物が唐突に自殺するし、モッズ的感性で同世代のユースカルチャーを過剰にコケにしたり。不条理な暴力が支配する夜の校庭のシーンがあったり。そのくせ合格発表なんていうどうでもいいシーンをものすごく綺麗に書いたり。

思えば、この時既に主人公が不感症な上に女子を平気で殴ったり、ヒロインがヒステリーの末に失言症になったりと、なんか、今とコアな部分でブレがない。いい意味でも悪い意味でも。いや、悪いかな。悪いかも。

「アキストゼネコ」を遡っていくと、この「スノウ(イズ)ホワイト」に到達する。

「スノウ(イズ)ホワイト」

ようはこのタイトルなんだけど、「白雪姫」に余計なものをはさんでいる。
そうすると「雪は白い」というタイトルになる。
この頃、すごく不安だったのが実感のなさだった。
「雪は白い」ということを僕はまったく理解できなかった。
これは恐怖だったし、この恐怖を克服したかった。
これはつまり、子供のころにあったはちきれんばかりの「実感」を17歳のカラダで奪還するという、言わば切実な試みでもあり、同時に、なんつうか、ひらたく言えばノイローゼだった。

んで、「実感」をダイレクトに実践できる、最もたる行為が「人のカラダに触れる」ことだと思った。
(この考えは今も変わらない)
もしかしたら単にセックスがしたかっただけかもしれないが、だったら尚更この仮説は正しい。リビドーに直結する論理だ。

そんなこんなで、「触れる」ということの素晴らしさとおぞましさを表現するということは、僕の表現欲求の根源だったりする。

実はこの表現を試みたことは今回の「アキストゼネコ」が初めてではない。
PLAY_③「まるで算数を知らないこどもたち」でもチャレンジしている。
ラム演じる「D」が自らが殺めたコナツという娘を抱きしめたいと懇願するラストシーンがそれだ。罪悪感から自ら志願しロボトミー手術を受け、記憶を持たない検体となった「D」が心の内の「穢れた愛」に殉じようとするスクリプト。

今回の宮本が演じた「ノノ」も同じ。すでに死んでしまって触れられない自分の片割れ「ネネ」のカラダに触れたいと願う。

そのために「まるで算数を知らないこどもたち」では相対性理論を持ち出して時間を戻そうとした。
「アキストゼネコ」では双子である自分が特殊なDNAを受け継ぐ子供を作り、記憶を移植することで「理論上」ネネを生き返らせようとした。

バカだなあと思う。
配役の妙ではあるが、「D」を演じたラムが「チーコ」として宮本の「ノノ」を殴り、諭したのはこの二作品の偶然であり必然なのではないだろうか。
「まる算」で許したことを「アキストゼネコ」で僕は許さなかった。

時間が戻ったり、人間が生き返ったり。
そういうことを今回の僕は否定した。

 

 

触れられない君を思うこと。

 
 
 

だからこそ触れられる目の前のカラダをめいっぱい愛して欲しい。
抱きしめていいんだよ。
触れていいんだよ。
明日、そのカラダに二度と触れられなくなるかもしれないんだから。

僕たち日本人はスキンシップの替わりに、たくさん言葉をもっていた。
でも、そのボキャブラリーはもう、減ってしまった。無くなってしまった。
言葉もない。
触れる勇気もない。

だったらどうしたらいい?

その一歩を踏み出す感性を伝えたいんだよな。
もっともっと頑張ろう。
これが伝わって、みんながたくさん、しあわせなセックスをして、かわいい子供がたくさん産まれてくれたら。

ぼくはしんでもいい。

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2008年12月 9日 (火)

小さな庭がありました

昨夜帰宅すると、クワズイモが死んでいた。 

夏場、異常な生命力で伸びた茎が、折れてしまっていた。
俺が水やらなかったからしょうがないけど。

「後悔先に立たず」という言葉が嫌いなので、
なんとかこの気持ちを取り戻そうと頑張ってみたが、
時間が戻るわけでもなし。
垂れた葉が起き上がるわけでもなし。

寂しいね。 

本日が千秋楽。

今日までしか観れません。

ごよやくはこちらから。
https://ticket.corich.jp/apply/8351/003/

こっちでもできます。
http://www.cbhs.jp/play/ticket.html

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2008年12月 3日 (水)

俺以外のやつに好きって言ったら殺す

lostageを聴きながら台本読んでたら、なんか、こう、キた。

「アキストゼネコ」

今回の話は「14歳」を共にした連中が再び邪悪な森に帰る話。
スティーブン・キングの代表作「IT」やウメズの「漂流教室」のテイストを思い浮かべてもらえると話が早い。

舞台だし、演者はこぞって三十路突破なので
14歳のシーンはないが、この「14歳のシーン」を作る作業が楽しい。
Lostageを聴いていたら、なんかこう、キた。
この、帰れない感じがいい。
予感ばっかりでなんにも無い感じがいい。
不条理な感情ばかりでよくもまあ成り立っていたな、人間関係が。
あと、14歳のころは友達の体がもっと近くにあった。
無意味な暴力だとか、必要以上に痛いイタズラ。
大事な言葉もたくさんもらった気がするが、
映像やにおいばかりで、肝心の会話が思い出せない。
とにかく帰りたくなかった。
酒も煙草もないくせに、何を話していたんだろう。
とにかく帰れなかった。
僕たちが夢中でしていた会話の内容が思い出せない。 
記憶のフィルムに音が無い。

たぶん、声にもならないような感情だったんだろう。

いつも嫌な予感がしていたし、その予感は当たった。
14歳の時のような、リビドーを分かち合うための、一点の曇りもない殺し合いは、もう二度と出来ない。

 

何言ってんだ?おれ。

今日は小屋入り。
ふと気付いたんだが、小屋入りの日にはどうしようもないネガティヴに落ちるのが恒例だ。かといって誰かがおっぱいを吸わせてくれるわけじゃないから。こうやってキモイブログを書いて悦に入るわけだ。すごいだろ。今シラフなんだぜ。

舞台装置が組みあがった。
ぜひともこいつは劇場にてご確認いただきたい。
かなり気持ちいい。俺、いままででダントツに好きかも。すっごい変態だと思う。このセットは。
かっこいい。
よまくりる。
最近はよく変態というものについておしゃべりする事が多く、ムーブを作ってるキモい荒川くんを見てたら「ほんと変態ってかっこいいな!」って思った。

「かっこいい変態」とかあまっちょろいことが言いたいわけじゃない。
変態こそがかっこいいんだよ。
今回初客演の佐藤健士さんも、話してたらかなりキモかった。大好きだよ。もう。

そしてね。
本当、今回のOP映像もえらいことになってる。
やべー!
と、叫びながら車道に飛び出してトラックに撥ねられてしまいたかった。
変態すぎる。
かっこいい。

 

「変態だ」、「キモい」だと。散々言っているけど、これが褒め言葉でしかないことを理解してもらえるよ。今回の公演は。

本当にみんなかっこいい。

 こっから予約できます。
https://ticket.corich.jp/apply/8351/003/

 こっからもできます。
http://www.cbhs.jp/play/ticket.html

「アキストゼネコ」
冗談抜きで書きました。

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2008年11月27日 (木)

だいすきだよ

リビドーとはなんとも愛おしい。

無意識からストーリーを引き摺り出す、地獄と快楽のパンプアップの果て。

思い出したのは、4歳とか5歳とかのいわゆる「男根期」と呼ばれる時期(自分の性=ジェンダー)に目覚めた時期。

ままごと。

今思えば、ままごとはとんでもなくスリリングなエチュードだったと思う。
今、おれたちは役者でたくさんエチュードをするけど、ガキのエチュードには到底かなわない。絶対かなわない。

でもなあ。チェリーの芝居はそこにブッこんでいくんだよ。
大人だってままごとがしたいんだ。

ガキども。
おまえらのとんでもなく美しいままごとに挑戦するぜ。

大人だって美しいんだ。

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2008年11月26日 (水)

まだおさないからだ

Uparupa人間が人間を「かわいい」と思うのは

なぜだろうと思った。

それがこの物語の本質なんだと思う。

国道沿いのペットショップや、荒れたサイゼリア。

もう二度と列車が来ない駅の雑草。

平日の、

かよわい冬の陽射しが差し込んでいるだれもいない砂場。

そこにはかつて誰かが居た。

その誰かは今頃どこかでセックスをして、子供を作っている。

これは言わば、リビドーとタナトスの儚い邂逅。

 

2008.Winter CherryBlossomHighSchool PLAY_5
「アキストゼネコ」
「14歳だった私たちの、禁じられた遊び。
指の先端で名前の数を数えるだけの、ただの恋占い。
あの時、私たちは、
17年後の運命を指先で決めてしまった。」

■平成20年12月4日(木)~12月9日(火)
■ウエストエンドスタジオ
■作:小栗剛 ■演出:柴田雄平 ■振付:荒川修寺

1991年11月17日。私たちが暮らしていた町で大噴火があった。
学び舎に、あたたかな灰が雪のように降りしきり、
世界が死の膜に包まれたようだった。
それなのに、マフラーで顔を覆った私達は校庭ではしゃいでいた。

それが17年前の記憶。

私たちは「神童」と呼ばれ、クラスルームで多くの学識を身につけた。
あのころ、私たちはよく「アキストゼネコ」という遊びをしていた。
とてもよく当たる恋占いだったから、夢中になった。
学び舎で生徒の1人が自殺未遂を起こしてから、なぜか私たちの遊びは禁じられた。
だけど絶対やめたくなかったから、隠れて続けた。
やめられなかったんだ。

この物語は、学び舎を離れてから17年後の、私たちの再会から始まる。
どうして私たちは、この学び舎を追い出されたのだろう。
記憶が甦ろうとするたび、体温が下がる。
今日は花嫁になったあの娘を囲んで、思い出話で祝福するはずだった。
それなのに。

そう、それは、指の先端で名前の数を数えるだけの、ただの恋占い。
わたしたちだけの、「アキストゼネコ」。
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2008年、玄冬。17年前の物語はまだ、最終回を迎えていなかった。
チェリーブロッサムハイスクールが記す、思い出にまつわる幻燈綺譚。

■出演
渡部ラム 荒川修寺 野田政虎 雪森しずく 山咲広美 池上武蔵 如月モエ 椎名豊丸 / 宮本奈津美 中川香果 佐藤健士 / 小栗剛 柴田雄平

■劇場
ウエストエンドスタジオ
〒165-0026 東京都中野区新井5-1-1 スタジオライフ1F
TEL:03-3319-0368(公演期間中対応) TEL:03-3319-2289

■タイムテーブル
12月4日(木) 19:30
12月5日(金) 19:30
12月6日(土) 14:00 19:30
12月7日(日) 13:00 18:00
12月8日(月) 14:00 19:30
12月9日(火) 14:00 19:30
※受付開始は45分前。開場は30分前です。

■アクセス
JR 中野駅から徒歩 約15分
西武新宿線 新井薬師前駅から 徒歩 約6分
Google Mapで場所を調べる。

■チケット
◯ 前売:¥3,000 ◯ 当日:¥3,300
※ 未就学児童はご入場になれません。

【取り扱い】
□ 電子チケットぴあ/0570-02-9999/t.pia.jp/Pコード:390-206
※お近くの電子チケットぴあ窓口でもご購入頂けます。
チェリーブロッサムハイスクールWebSiteでも。
□ お知り合いの方は直接メールなり電話なりくれても大丈夫です。

■スタッフ
□ 舞台監督:渡辺了(ダイ・レクト) □ 照明:関定己 □ 音響:UC-WORKER
□ 舞台美術:福田暢秀 (F.A.T STUDIO) □ 映像:荒船泰廣
□ 宣伝美術:藤本征史郎 (Raredrop/くねくねし)
□ 舞台写真:シンヤケイタ (ROLLUP studio)
□ 演出助手:林笑子、佐藤圭 □ 制作助手:大橋真琴 □ 制作:井上朋子

■協力
□ ダックスープ □ 味わい堂々

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2008年6月30日 (月)

13月 ゴーイング オン

マーヴィン・ゲイの「What's going on」がたまらなく好きだ。

http://jp.youtube.com/watch?v=Y9KC7uhMY9s

アレステッド・ディヴロップメントがカバーしたトラックもかなり好きだ。
シンディ・ローパーのカバーも好きだ。

なぜなら、この曲には夏の朝が良く似合う。
セミのけたたましい声と白々しいリズム。

夏の早朝の絶望的な生命観。
僕の友達はこんなメロディーの中で自殺した。

肌のきれいなヤツだった。
男だったけど。本当に綺麗な死体だった。
お通夜の線香の護りを、友人である俺たちが任された。
俺たちは深夜、棺桶を叩いた。
即興で始まったセッションは、ロックンロールだったと思う。
俺たちは泣きながら笑って、棺桶を叩き続けた。
ひどく酔っていたので、彼が揺れて、本当に生きているみたいだった。
笑っているみたいだった。
死んでいるのに。 

後日、夢に現れた彼は、パイプイスに座っていた。
ストラトキャスターを持った彼は、どこか後悔しているように見えた。

それから僕は何もできなくなった。
彼が僕と音楽をやりたいと思っていたということを聞いたから。

ギターを弾いては、酔って寝た。 

毎年訪れていた彼の命日にも、僕は芝居のハードスケジュールから墓参りに行かなくなった。
彼が、「なつかしい存在」になった。

 

死者が笑う。

 

ハラが立つ。
俺をなめるなよ?

自殺者ごときが、俺をなめるな。

 

さておき、チェリーブロッサムハイスクール。
「その夏、13月」。

満員御礼。 

ほぼ全ての回がソールドアウトだ。
明日の昼の回に若干の余裕がある程度。

まさに「何が起きているの?」という感じだ。

嬉しい限り。
有難うございます。

 

触れたい。

 

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