劇中のスクリーンに映し出されたシーン毎のサブタイトル。
一部のお客様からは「読みきれなかった」というお叱りも受け、また、知り合いの方からは「あれはなんのパクリだ?」というちょっぴり傷ついてしまうツッコミも受けました。
なので、今一度、レビューを含めて公開します。
同時に引用元となった音楽のお話なんぞも踏まえ、ほのぼのと書きます。
あくまでパクリじゃない。引用と言うんだ、こういうのは。
ChapterⅠ【Stranger】
85年パート。青柳が国府田旅館に呼ばれてやってくるシーンです。
青柳はいわば「よそもの」。Strangerの直訳ですね。
青柳という存在は、それまで筑波で生活してきた邦夫やせいちゃんたちのコミューンにとって「新たな血」です。それを受け入れるのか、利用するのか、はたまた拒絶するのか?
このシーンでは全面に許容していますが、シーンの終わりでポツリと吐露される感情は田舎者ならではのものでしょう。
「ああ、あそこの青柳さんか…。」
引用の元は。ペイヴメントというバンドの「Spit on a stranger」。「よそ者につばをはきかける」という曲のタイトルから。ペイブメントの朴訥とした音色が想起させた言葉です。
ChapterⅡ【The good life】
2007年パート。直志とチヨの部屋が舞台になってます。現代の若者の凡庸な同棲生活や友人関係が描かれました。ここでは
「たーちゃん…。私、たーちゃんのお母さんみたいなママになるね。」
というセリフが好きです。いろいろと手前味噌ですが。凡庸なセリフですが終わってみるとグッと来ます。ホントに手前味噌ですが。
引用元はweezerの「The good life」。そのままです。ずっと続いていたのかも知れない「良き生活」。凡庸であることは時として尊いものだと思います。
ChapterⅢ【I didn't want to hurt you】
85年パート。彼らの日常に少しずつヒビが入り始めるシーンです。
訳は「傷つけるつもりじゃなかった。」
青柳の尚子に対する気持ちとも取れるし、もしくは邦夫が通子に「万博行こう」と行ったことを後悔している言葉なのかもしれません。結局、通子は万博が観れませんでしたから。
あるいは、せいちゃんとユゲがサカエに思った言葉なのか…。
昭和丸出しの彼らのちょっとした優しさに焦点を当てて選んだサブタイです。
引用元は teenage fanclubというバンドの「the concept」 という曲のサビの歌詞から。
ChapterⅣ【鳴いた私の心に花を】
2007年パート。アコがつくばに帰ってくる件です。
言わば都落ちであるアコの心情にスポットを当てました。心配や期待をしていた旧友が、理由はともかく自分達のもとに帰ってくる仲間の心情ともリンクさせています。「泣いた」ではなく「鳴いた」にしたのも、それが良い音色だと思ったからです。ストーリー上、最後の優しいシーンとなりました。
引用元はなし。強いて言えばエレファントカシマシの「ココロに花を」。うるわしき今日の俺に捧げるのさ。オーイエー。
ChapterⅤ【Expo'85】
85年パート。万博のシーンです。
85年パートの登場人物たちの様々な思いが過酷な現実を突きつけられて交錯するシーンです。
この辺からストーリーが加速しました。
引用元はもちろんないです。そのまま、僕らが見た夢からです。
ChapterⅥ【鳴いた僕の心にイバラを】
ChapterⅣのサブタイと対になる形で。ベタですが。
ここでの「鳴いた」は前述のシーンとはまったく違う音です。サチの悲しみなのか、直志の怒りや葛藤なのか。心にイバラがあると痛いです。
「イバラを」に続く文章は想像してください。イバラを欲していたのかもしれないし、もしくは単に痛みを拒絶したかったのかもしれないし。
引用元はなし。
ChapterⅦ【今日を生きよう】
85年のラストシーン。通子のお通夜のシーンです。
これはシーンのラストのセリフからそのまま取りました。月並みなセリフだとは思いますが、これしかありませんでした。ホント、キャストの方々に感謝です。喪失の先にある再生の希望を表現してくださったと思います。
僕はひねくれた感性の人間ですので、このようなダイレクトな言葉を使うのに気が引けてしまうタチなのですが、キャストとディレクションを完全に信用していたので躊躇なく書けました。間違いなく、このチームだから使えた言葉です。お客様にはバシっと届きましたでしょうか?
引用元はラストシーンにも使用されたグラスルーツの「今日を生きよう」。
60年代のヒット曲です。
ChapterⅧ【血も吸い上げるような青空】
ラストシーン。
レビューは控えます。
引用元は、夢です。
執筆中、ちょいと情緒不安定な夢を見まして、そこに出てきた女の人が延々と歌っていた歌詞がこれでした。
素敵な言葉だなあと思って、起床後に書きとめ、その後この言葉を反芻するように川口の土手を歩きました。今回の台本はこの言葉に繋がる様な青春群像にしようと強く思いました。
意味は僕もよくわかりません(ホントはわかってるけど)。
一行の詩です。なんとなく感じてもらえたなら幸いです。
以上でございます。